創作用ボード(一般)
(NOTITLE)
2012/01/01 17:19:53, written by
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見知らぬ女子高生に手を引かれて、薄暗い道を歩く。
「あの、僕なんかが勝手に泊まっていいんでしょうか、女子高の寮なんてところに」
「勝手に、じゃないわよ。私がお願いしているの!」
「はあ」
商店街から脇の道に入り住宅街を少し入った所に、大きな建物があった。
その建物の正面玄関を通り過ぎる。
「ここじゃないんですか?」
「こっちから入るの」
少し通り過ぎた辺りの塀に、人一人通れるくらいの割れ目があった。
「さ、ここから入って」
「正面玄関から入れないわけですか」
「そんな事いいから、早く入って」
割れ目の間を通り抜けると、目の前に窓があった。
僕の後ろにいた女子高生が、その窓を開けた。
「ここから上がって」
言われるままに窓から部屋の中に入る。確かに寮っぽい部屋だった。
「中にある物は何を使ってもいいわ。お菓子があるから勝手に食べて。
パジャマも勝手に使ってもいいわ。代わりに体操服でもいいけど。
24時間後きっかりに戻ってくるから、それまでここにいてね。
点呼の返事だけは忘れずに。それじゃ」
見知らぬ女子高生は、言いたい事だけ言ってどこかに行ってしまった。
(NOTITLE)
2012/01/01 11:25:53, written by
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金曜日の夕方、駅の改札を抜けると。
「ねえねえ、そこの君、うん、君」
突然女性から声を掛けられた。
「君にお願いがあるんだけど」
「なんでしょう?」
「一日だけある部屋に泊まって欲しいんだ」
「ある部屋ってどこなんですか?」
「私の下宿に」
「え?あなたと一緒に泊まるって事ですか?」
「私はちょっと出かけるから、誰もいない部屋に泊まって欲しいだけ」
「そういう事ですか。でもどうして僕が…」
「僕?君、男の子だったの?」
「はい」
「えーい、別に構わないや、とにかく一日部屋にいてくれればいいの。点呼の時だけ返事してくれればいいの」
「点呼って、寮か何かですか?」
「女子高の寮に一日だけ、お願い!」
(notitle)
2011/10/30 11:44:03, written by
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外が静かになったので、トイレから出る。周りには誰もいない。
もし誰かに見つかったら、何を言われるか分かったものではないので、
早く外に出たい。でも中央の出入り口は人がいる。裏口はないか。
トイレからさらに奥に入ると、そのさらに奥にドアがあった。
足音を立てないように静かに歩き、ゆっくりとドアを開ける。
そこは商店街に近い道だった。良かった、建物の外に出られる。
人の多い商店街の中まで行けば、「どこのクラス?」などと
聞かれることもないだろう。急いで商店街まで出る。
それでも、いざ商店街の人通りの中に入ると、人目が気になる。
さっき「女の子のだよ?」と言われた服を着ている姿のまま、
商店街を歩かないといけない。みんなが見ているような気がする。
早く着替えたいけど着替えなんて持ってない。早く帰ろう。
急ぎ足で自宅に向かう。
(notitle)
2011/10/28 16:11:10, written by
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女子トイレのドアを開けて中に入ったら、小学生が二人列を作っていた。
今更「間違えました」とも言いづらいし、仕方なく後ろに並ぶ。
男だとばれてないだろうか。そう思うとドキドキする。
でも二人は何も言わず並んでるだけ。二人の顔を見る訳にも下を向く。
そういえばこの服は「女の子のだよ?」って言われたけど、
この二人もそう思っているのかな。どうしてこれを買っちゃったんだろう。
お店の人に言われたまま買ったのに。別の服を買った方がいいのかな。
でもお店の人に言われるままだとまた同じ事になってしまう。
しばらく待つとドアが二つ開いた。そこに前の二人が入る。
少しほっとする。でももしかしたら、これから誰か来るかもしれない。
トイレの外から声が聞こえる。
「はやく集合してくださーい」
その声に合わせて一人出てきた。空いた所に急いで入って鍵を掛ける。
その少し後に二人が外に出る音がした。よし、これで僕一人だけだ。
だけど女子トイレにいつまでも入っている訳にもいかない。
少しだけ待って外に出てみよう。卒業生の行事が始まってしまえば、
人数外の僕は無関係だって分かるはず。うん。
(notitle)
2011/10/26 19:00:03, written by
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「まだ出てはダメでーす、中で各クラス集まってくださーい」
そう言われて足を止めた。いや、別に止まる必要はないはず。
だけど外を見ると、出入り口は花道のように整えられて、
既に両側に人が並び始めている。その真ん中を今駆け抜けると
目立ち過ぎる。両脇を抜けるのも目立つ。どっちにしても目立つ。
仕方なく一旦中に入る。
中はまだ卒業生でごったがえしているが、段々とクラス別に集まり出して、
このままでは僕だけ一人残されてしまう。こういう時はどうすれば。
そうだトイレに隠れよう、そうしよう。
周りを見回してトイレマークを見つけ、トイレに駆け込もうとして、
また立ち止まる。僕は男子トイレに入っていいんだろうか?
さっき「その服、女の子のだよ」って言われたのに。
でもだからと言って女子トイレに入るのは。こんな所で迷ってる暇はないのに。
仕方ない、とりあえず女子トイレに入ろう。
(notitle)
2011/10/23 20:06:32, written by
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長い話を聞かされて、知らない歌を歌う振りをさせられて、
ようやく卒業式が終わった。僕の手を握り締めていた女の子は、
今は卒業証書の束を持っているので、僕の手を握り締めてはいない。
「これを持ちまして卒業式を終了します。卒業生退場」
また保護者の間を、今度は顔を向けて通り抜けないといけない。
知ってる人はいないけど、恥ずかしいので下を向いて歩くしかない。
でもここを通り抜けてしまえば外に出られるはず。そこまで我慢。
会場の部屋から外に出てすぐのところで、例の女の子が僕の方を
向いて話しかけてきた。
「ところであなた、北小でもないでしょ?見覚えないもの」
急にそんな事を言われたので慌てて返答した。
「いや、あの、その、僕は無理やりこの建物に引きずり込まれただけで」
「僕?男の子だったの?その服、女の子のだよ?」
「え、僕、そんなのよく知らなくて」
ちょうど出入り口のそばだったので、あわてて外に飛び出した。
(notitle)
2011/10/20 19:20:56, written by
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女の子に手を握られ、一番前まで連れて来られて、着席させられる。
今更流れに逆らって部屋を出るなどという目立つ事も出来ない。
左右少なくとも5人は女子だ。女子の中に男子一人だけな気分になる。
もっとも男女関係なく、僕は部外者なんだけど。
卒業式が始まる前だからか、さすがに誰もおしゃべりをしない。
さっきみたいに無闇に話しかけられるのも困るけど、部外者の僕が
黙って座っているのも、なんだかこっそり隠れているような気分になって困る。
「山田小学校卒業式を始めます。卒業証書授与。卒業生代表、佐藤奈々」
「はい」
僕の隣に座って僕の手を握りしめていた子が突然立ち上がった。
そのまま壇上に上がる。だから一番前の中央に来たのか。
僕は連れてこられただけだけど。
卒業生全員分くらいありそうな卒業証書を受け取って、戻ってきた。
席に座ると、僕の方にその卒業証書を見せて、にっこり微笑んだ。
そんな顔されても、どう反応していいか分からない。
(notitle)
2011/09/25 10:57:37, written by
ftinfo
さっきまでおしゃべりだった女の子も、さすがに今は静かにしている。
でも僕の手を握り締めて離さない。その女の子の手に引っ張られ、
後ろの小学生から押され、仕方なく前に進む。小学生の女の子に手を
握り締められているのいうのも変な感じだ。こんなに長く手を
握り締められるなんて、同じ歳の男でもそう経験が無い。
男に手を握られるのとはなんとなく違う感触な気がして、なぜだか
ちょっと恥ずかしくなってくる。
周りをちらりと見ると女子ばかりだった。すぐに分かる範囲に男子は
いなかった。女子の集団の中に入ってしまったのか。女子小学生に囲まれて、
一緒の列で入場して、それを多くの人たちに見られているなんて。
すぐにここを抜け出したいけど、もう会場の真ん中まで連れて来られてしまった。
(notitle)
2011/09/10 12:45:50, written by
ftinfo
「山田中学校吹奏楽部の演奏に合わせて、卒業生が入場します」
「みなさーん、列を作って入場してください。前から詰めて座ってください」
部屋の中の子供達が一斉に動き出した。
「席は自由みたいだから、一緒にいこう」
女の子に手を握られて部屋を出たら、とてつもなく広い部屋だった。
卒業生の保護者らしき人達が、拍手しながらみんなこっちを見ている。
僕は小学生の列に並んで歩いている。どうしてこんな所にいるんだろう。
しかも隣にいる女の子と同じ服装で。どうして隣の女の子が男子みたいな服装を
しているのだろう?それとも僕が女の子みたいな服装をしているんだろうか?
そうだとするとかなり恥ずかしい事だけど、でもどっちだか分からない。
だけど、僕が小学生と思われて、小学生の中に放り込まれて、卒業式に出席して
しまったらしい、というのは分かる。いくら僕がガキに見えるからって、
小学校の卒業式に放り込まれるなんて。それを何百人もの人が見ている。
僕が小学生扱いされているのを、たくさんの人に見られている。
(notitle)
2011/09/04 15:13:42, written by
ftinfo
「もうすぐ始まりますので急いでください、順番はどうでもいいです」
「いやあのその」
大きな建物の中の、それほど広くない部屋の中に押し込まれてしまった。
ぎゅうぎゅう詰めの部屋の中は、どうみても小学生ばかり。
どうしてこんな所に入れられてしまったんだろう。
「こんにちわ、あなた北小?」
突然女の子に声を掛けられた。良く見ると同じ服を着ている。
「は、はあ」
「へへへ、同じ服だね。なんだか嬉しいな。中学校で一緒になれるかな?
でもこの辺って女子中が多いから、もしかしてあなたも私立の女子中?」
「えっとその」
「女子はみんな私立行っちゃうんだよね。私も私立にしとけば良かったかなぁ。
でも私ってバカだしー。でも今日一日は一緒に卒業式出席だね、よろしくね。
でも北小と合わせるとすごい人数だよねぇ、建物も一緒じゃないのにひとつの
小学校だなんて、訳分かんないよね。でも卒業式はこうして一緒だしいいかも。
市民会館で卒業式っていうのも、なんだか面白いし、ね?」
ずっと一人で話しておいて、いきなり「ね?」と言われても。
(notitle)
2011/08/30 19:38:33, written by
ftinfo
今日は就職説明会だ。第一希望の会社じゃないけど、初めてだからちょっと緊張する。
こないだ買ったスーツを着て駅へ向かう。
大きな通りに出ると急に人が増えた。こんなに人が多いのは珍しい。
小学生が多いようだ、でもみんなスーツを着ている。どうしてだろう。
卒業式かなにかだろうか。背が低くて似たような服を着ている僕が
こうして並んで歩いていると、なんだか僕も小学生に見えるんじゃないかと、
そんな心配をしてしまう。
あれ、あの服は僕のと同じじゃないか?小学生の、しかも女の子が
着ているんだから、同じのはずはないんだが、でも同じに見える。
女の子がああいうのを着るのが流行りなんだろうか?
駅の近くの大きな建物に、小学生達が入っていく。
小学校ではないようだけど、「山田小学校卒業式会場」と書いてある。
やっぱりそうだったんだ。
「こんな所で卒業式をやるってなんだかすごいよね」
そういう話し声が聞こえてくる。
「そこの君、行き過ぎだよ、この建物だよ!」
誰かが僕に呼びかけているような気がした。でもそんなはずは。
「君、こっちこっち!」
腕を掴まれて建物の中に連れ込まれた。
(notitle)
2011/08/26 16:54:39, written by
ftinfo
「あ、あの、スーツを買いたいんですけど」
「はい、この階の奥になります。ここをまっすぐ行って行き止まりです」
「あ、どうも」
言われた通りにまっすぐ歩く。周りを見ると女性用下着と子供用下着の売場だが、
こんな所でスーツを売ってるのだろうか?しかし行き止まりに近くなると、
紺色の物が見えてきたので、そこにいた店員に尋ねてみた。
「あの、スーツの売場はここでしょうか?」
「はい、こちらでございます」
ぐるりと見回すと、男性用と女性用と子供用とが一緒に置いてある。
これっぽっちしかないんだろうか?スーツの種類なんてそんなに多くないのかな。
「あの、良く分からないんですけど、どういうのが…」
「最近はこういうパンツルックが流行のようですよ?」
パンツルック?良く分からないけど、そういう言葉があるんだろう。
「多分お客様ならこのサイズでぴったりだと思いますが、試着なさいますか?」
「えっと、それなら上着だけでも」
上着だけ受け取って試着する。ちょっと肩がきついような気もするが、
気になるほどではない。
「これをお願いします」
「はい、レジはこちらでございます」
[タイトル未定.49]
2010/12/05 22:29:02, written by
ftinfo
「留美…ちゃん?一緒に体育館に行こう」
周りのみんなの目を気にしながら『留美ちゃん』に声をかける。
「うん」
『留美ちゃん』が嬉しそうな顔で答える。一緒に廊下に出る。
周りのみんなが見ているような気がするけど、あまり気に
しないでいよう。
こっちの留美ちゃんは、体育館がどこだか分かるのかな?
あ、昨日始業式があったか。それに掃除の時間にもきちんと
自分の割り当ての場所に行ってたみたいだし。
前の留美ちゃんと同じくらいに知ってるのかな?
前の留美ちゃんのつもりで話しても大丈夫なんだよね?
「寒いよね」
『留美ちゃん』が話しかけてきました。
「うん、運動場じゃなくてよかった」
「十二月でも運動場は寒かったし」
…十二月は、確かに運動場だった。確かに寒かった。
でもこっちの留美ちゃんは、知ってるのかな?
「でも跳び箱は久し振りだから、ちゃんととべるかな?」
「私も、三年生の時もやっととべたくらいだから、自信ない」
…三年生の時って、去年の留美ちゃんの事?
[タイトル未定.48]
2010/12/01 22:10:05, written by
ftinfo
「あいつさ、本当に女子なのか?」
「おれに聞かれても」
「確かめられないかな、スカートめくってみるとか」
「じゃあおまえがやれよ」
「いや、おまえが得意だろ」
「やだよ。あんなにでかいんだぞ。本当に女子でも、あいつに殴られたらかなり痛いぞ」
「スカートの上からタッチしてすぐ逃げるとか」
「おまえがやれよ」
「やだよ」
「おまえが…あ、下着がちょっと見えた」
「え?」
「なんだかヒラヒラが付いてるように見えたぞ」
「本当か?」
「ちょっと見えただけだから、あんまり自信ないけど」
「どうしよう、やっぱ自分で確かめてこようか…」
[タイトル未定.47]
2010/11/26 20:48:20, written by
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「なあ、結局あいつ誰なんだよ」
「知らないよ」
「お父さんかお母さんに聞かなかったのか?」
「聞きたかったけど、女子の話題なんて、なんだか聞きづらくて」
「つまりあいつは本当にあいつ女子なのか?」
「いや、確かめたわけじゃないけど。一応女子って事になってる奴のことだし」
「おまえ情けないなー」
「だって、うちの親父が桐島のお母さんを良く知ってて、
下手な事を話すと何言われるか分かったもんじゃないし」
「そんなの、このクラス全員似たようなもんじゃないか」
「……聞こうとして名前を言ったんだよ。そしたら酔っ払った親父が
『留美ちゃんも女の子らしくなったなー』とかそういう事言い始めたから、
それ以上聞けなくなったんだよ」
「え?『女の子らしくなった』?」
「そうだよ、そんな会話の相手なんて出来ないよ」
「いつの話だ?」
「年が明けてから会ったって言ってた」
「それじゃ、あいつの事なのかどうか分からない…」
[タイトル未定.46]
2010/11/22 21:15:45, written by
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「やっぱり女子なのかな?」
「分からない」
「スカートをめくってみる?」
「え、いくらなんでもそんな」
「でも水泳の時でもないと確かめようがないよ。ほら、ジャージを上から被って、もうブラウス脱いじゃってるし」
「よーく見たら、服の上からでも分かるんじゃないかな」
「でもそんなにジロジロ見てられないし」
「二人一組とかやる時に、あの人と組めば?」
「誰が?」
「あなたが」
「えー、自分でやればいいじゃない」
「えー、別にそこまでして確かめたいとも」
「背の順番に並んで二人一組とかになったら、あなたじゃないの?」
「うーん、そうかも。私が確かめるんだ……どうやって?何を?」
「知らない」
「やっぱりやだー、替わってよ」
「背の順番だったら替わりようがないもん」
「そんなー」
というわけでいきなり当分ヒソヒソ話
2010/11/21 20:26:37, written by
ftinfo
廊下でイベント起こしてもいいけど。
[タイトル未定.45]
2010/11/21 20:24:58, written by
ftinfo
「体育の着替えを早く済ませてください」
今日の日直の小島さんが大声で言いました。
「男子は前の方で、女子は後ろの方で…」
そういいながら、小島さんは横目で『留美ちゃん』の方を見ました。
小島さんだけではありません。多分クラスのほぼ全員が見ているでしょう。
『留美ちゃん』は立ち上がって、教室の後ろの隅の方に向かいました。
みんなの目の向きが全部そちらの方に向かいます。
あちらこちらからヒソヒソ話す声がします。
どうにかしてあげたいけど、何が出来るんだろう?
一緒に着替えることかな。でもそれって横で着替えるだけだし。
テスト
2010/11/20 21:48:25, written by
ftinfo
ロボット対策に手間取った。ちょっと待って。
(notitle)
2010/06/06 20:14:29, written by
ななしー
続き、期待してます
[タイトル未定:予定]
2010/05/19 20:07:27, written by
ftinfo
着替えです。体育の授業内容は跳び箱です。
[タイトル未定.44]
2010/05/19 20:05:46, written by
ftinfo
「それでは、最初の授業は体育ですね。体育館で行います。
早く着替えて移動してください。はい」
「起立、気をつけ、礼」
がたがたがた、ざわざわざわ。
早く着替えなきゃ。カバンから体操着を取り出しました。
つんつんつん。
誰かが背中を突付いてます。私の後ろの席の伊藤さんでした。
「ねえ、さっき、あの人と話してたでしょ?」
留美ちゃんの方を指さしました。
「あの人の事、知ってるの?仲いいの?」
なんて答えたらいいんだろう。ちょっと考えました。
全部話すと長くなっちゃうし。
「…うん、留美ちゃんとは、仲いいかな」
「留美ちゃん、なの?あの人が?」
「うん。昨日、学校が終わってから、留美ちゃんちに遊びに行ったよ」
「あの人の家に行ったの?」
「うん、留美ちゃんちに行ったよ」
「え?」
困った顔をしています。昨日の私もこんな顔してたのかなぁ。
でも、こんな所ではこう答えるしか出来ません。
「早く着替えようよ、また後でゆっくり答えるから」
[タイトル未定.43]
2010/05/19 20:05:04, written by
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きーんこーんかーんこーん。
私と留美ちゃんと祥子ちゃんとで色々とおしゃべりを
していたら、チャイムが鳴ってしまいました。
「あ、もうこんな時間。先生が来ちゃうよね」
「1時間目はなんだった?あ、体育だ」
「体育って、留美ちゃん、その…どうする…っていうか…」
「あ、あの、あんまり好きじゃない、けど、がんばる、うん」
「あはは、がんばろうね、うん、3学期は何するんだろうねー」
そんな事を話していたら、先生が教室に入って来ました。
「はやく着席してください」
ざわざわざわ、がたがたがた。
「起立、気をつけ、礼」
「おはようございます」
「おはようございます。えーと、もう欠席している人がいますね。
風邪をひかないように気をつけてください」
[タイトル未定.42]
2010/05/11 19:16:06, written by
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翌朝。いつもの時間に登校したら、『留美ちゃん』はもう席に座ってました。
「お、おはよう、理沙ちゃん」
私に向かって、ちょっとぎこちない感じで笑って挨拶してきました。
他の同級生は、『留美ちゃん』の席から距離を取るように立ってます。
私も他の同級生の気持ちは分かります。
だけど、この『留美ちゃん』と留美ちゃんは無関係じゃないし、
この『留美ちゃん』と仲良くしないと留美ちゃんと縁が切れてしまいそうで、
それに留美ちゃんが安心してお仕事出来ないんじゃないか、なんて考えたり。
それに、見た目は確かにこんなだけど、同じ学年の女子全部と比べれば、
『ちょっと不細工な顔でおとなしい性格の女子』
くらいだから、クラスに一人くらいいても、別におかしくないし。
趣味も留美ちゃんと同じだし。もしかしたら一生懸命『留美ちゃんと同じに
なろう』としているだけなのかもしれないけど、『留美ちゃんと同じに
なろう』と思っているその気持ちが、私が好きなものを一緒に楽しみたい
って気持ちでもあるんだから。
うん。だから。
「おはよう、留美ちゃん。昨日の帰りに、リボンちゃんの新刊、私も買ったよ」
「よ、よみましたか?もう。番外編まで」
「うん、読んじゃった。やっぱり面白いよね」
「あ、祥子ちゃんだ。お、おはよう」
「おはよう」
「二人とも、もう来てたの?」
「け、けさは早起きできたから」
「わたしも」
[タイトル未定.41]
2010/05/04 20:28:52, written by
ftinfo
「あの、おいしいケーキ、ごちそうさまでした」
「おいしかった?それはよかったわ」
「あの、それと、工藤良雄さんに、『お仕事がんばってください』
と伝えていただきたいんですけど」
「ええ、分かったわ」
「あの、それじゃ、留美…ちゃん、また…明日」
「は、はい、また、明日」
とぼ、とぼ、とぼ。
「留美ちゃん、もう小学校に来ないのかなぁ」
「どっちの留美ちゃん?」
「えーと、工藤良雄さんになった方」
「来ないんじゃないかなぁ、多分」
「そうだよね、うん」
「でも全然会えなくなった訳じゃないみたいだし。
新しい方の留美ちゃんと遊んでたら、たまに合えそうだし」
「うん、そうだよね。うん」
[タイトル未定.40]
2010/04/26 00:24:18, written by
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他に聞きたい事がたくさんあるんだけど、
『留美ちゃん』と呼んでも返事をするのは留美ちゃんじゃないし、
『工藤さん』と呼んだら、普通の事も聞きづらくなるし。
一番聞きたい『留美ちゃんはもう小学校には戻ってこないの?』が
一番聞きづらい。どう質問すればいいのかな。
「あの、会社って、楽しいですか?」
祥子ちゃんが尋ねました。
「うん、楽しいよ。とっても楽しい。寝てる暇もないくらい楽しい」
留美ちゃんは、眠そうな目で、だけど嬉しそうに答えました。その直後。
「おっと」
留美ちゃんがよろけてしまいました。
「寝不足なんでしょ、そこの部屋で寝ていきなさい」
「はい、社長。じゃあおやすみ、留美ちゃん」
「お、おやすみなさい、よしおおにいちゃん」
もっと聞きたい事があったような気がする。だけど。
隣にいる祥子ちゃんとしばらく目を合わせて、
諦めなきゃいけないのかな、そんな気分になりました。
あんな楽しそうな留美ちゃんを見たら。
目の前にいる『桐島』さんは留美ちゃんじゃないけど。
「あのね、こないだお店の人に聞いたの。リボンちゃんの服で
人気があるのを、本当に作って売り出すんだって」
「ほ、ほ、ほんとう?」
「どのくらい売れるのかな、どれくらい入荷すればいいかな、って、
お店の人が悩んでたけど……留美ちゃん、買う?」
「うん、買う」
「じゃあ……一緒にお店に行こう」
[タイトル未定.39]
2010/04/26 00:02:33, written by
ftinfo
色々頭に浮かんで、何から聞いたらいいのか悩んでいたら、
『桐島』さんが話し始めました。
「あ、あの、よ、よしおおにいちゃん、お仕事、忙しいんですか?」
「うん、昨日は徹夜だったよ。でも徹夜したお陰でこの時間に来れたけどね」
「あ、あの、つ、つかれてませんか?」
「うん、留美ちゃんに会ってから、ちょっと寝ようと思ってたところ。
その後にまた仕事だけどね」
確かに留美ちゃんは眠そうでした。
「あの…そんな大変なお仕事、きつくないですか?」
そんな事を聞いてしまいました。
「うーん、きついけど、楽しいよ」
「どんなお仕事なんですか?」
「そうだね、うちの会社は色んな商品の材料を作ってる会社だけど、
『こんな商品も作れますよ』って他の会社に売り込むためのアイデアを、
材料を開発する人達と一緒に考えるような」
「はあ」
「えーと。社長、いいですよね?」
「ええ」
留美ちゃんはポケットからビニールテープを取り出しました。
「これは電気を通すビニールテープ。銅線の代わりに使えるくらい電気を
通すから、床に貼り付けちゃえば、電線に足をひっかけて転ばなくなる、とか」
「す、すごい、それは欲しい」
「まだ値段がすごく高くて、どこでも使えるわけじゃないけど」
「そうですか…」
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